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2007/07/26

仙腸関節症候群

「腰が痛い」
そう言われるとまず疑うのは下部腰椎
たいていの方は腰椎の4~5番あたりに痛み感じます
多くのケースでは大腰筋などの周辺筋肉の拘縮により腰椎が圧迫され
痛みや痺れにおよぶわけです
しかも厄介なことに一箇所だけが痛む場合よりも
腰部から大腿部にかけて複数箇所に痛みを感じるケースの方が多いのです

経験則から腰椎の4~5番に圧迫をかける筋肉の異常緊張を解くことにより
しだいに痛みは和らいでくるというのがパターンとなっています

しかしこちらとしては筋書き通りにことが運び
そろそろ痛みもなくなってくるだろうなという予測を立てたのに
一向に痛みが収まる気配もなく
むしろ特定箇所に痛みが集中してくるケースが稀にあります

はっきり言って「見立てを間違った」
焦りにも似た気持ちで「あれかぁ・・・」
次に疑いをかけるのが仙腸関節です

仙腸関節といっても骨盤がズレているというのとはずいぶん違います
「仙腸関節自体の癒着」に近い感じになるのですが
元々仙腸関節は「半関節」といって、その可動性がほとんどありません
だから具体的に仙腸関節の癒着をレントゲンで確認することはできません

Photo

Photo_2
(画像:図解 腰痛学級)

これらのレントゲン写真のように仙腸関節の硬化が写るケースは稀だといわれています
仙腸関節症候群の単独のパターンとしては仙腸関節の上部(上後腸骨棘)や臀部に圧痛があり
臀部や大腿部にまで放散痛があるのが特徴です
Photo_3

ただ下部腰椎に痛みの原因があるケースにおいても
その状態が重篤であるときには似たような痛みを訴えるケースが多く
下部腰椎にも異常が認められ合併症ともいえる状態がほとんどであることから
まずは腰椎付近の施術から始めるわけです

その後経過を見て腰椎付近の痛みが軽減し
仙骨付近に突出した痛みを感じるようになった段階で仙腸関節症候群を疑うようにしています

1987年にThomas Bemard医師とWilliam H.Kirkaldy-Willis医師は
症例の22.5%は仙腸関節症候群が症状の主要な原因であると発表されていますが
それだけ仙腸関節症候群の割合が低いともいえるわけです

今までの症例を見ていると比較的若い女性に多いケースのようで
しかも半年とか1年とか長い期間この痛みが続くようです

正直申し上げて長期戦を余儀なくされるのが実情ですが
まず仙腸関節以外の痛みをとってから
マッスルエナジー・テクニックなどを使って仙腸関節の癒着を開放するような経過をたどります
仙腸関節以外の箇所に激しい痛みがあるうちは
マッスルエナジー・テクニックも充分には使うこともできず
ある程度筋肉に力を入れてもらっても痛みが出ない状態になってから
仙骨に狙いを定めてこの技法を使ったほうがより効果的だと思います

さらに痛みがほとんどなくなった時点から
運動療法で仙腸関節の可動域を完全に取り戻すように指導しています

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コメント

仙腸関節痛と診断されたのが、昨年の8月、即入院となり2ケ月、入院。猛烈な痛みに襲われ、苦しみました。
現在はモルヒネ投与で痛みを和らげています。
AKAという、治療方法で行っていますが、効果がなく、他に治療方法は無いかと、探しています。私は青森県、青森市に在住ですが、整形外科、かペインか、なかなか見つかりません。今はペインに行って硬膜外ブロックで痛みを和らげています。度の様な治療院(病院)を探し求めればよいか教えてください。よろしくお願いします。

投稿: 長岡弘 | 2011/04/28 11:02

長岡様

モルヒネ投与されるほどですから相当な痛みだと推測します
申し訳ないのですが私自身、これが有効だという手立てを知らないのです
現状、関節可動域を改善する手技を長期間にわたって地道に施しているのが実情です
それでも年数をかけてよくなる人もいれば何も変わらない人もいます

私自身は治療法そのものでお探しになるより腕のいい術者を探す方が得策だと思います
もちろん青森でどこが評判がいいかについてはまったく存じ上げませんのでご期待に添うお答えができません

地元で評判のいい整形外科・鍼灸院や整体院を聞いてみるというアドバイスにもならない程度のことしか申し上げられません

投稿: ひろ | 2011/04/28 12:35

長岡様・ひろ様
私の経験(体験)を簡単にお知らせします。他人に教えたからと云ってお金になるようなことではありません。通院も必要ありません。自分の「こぶし」で出来ることですることですから。まず、拳の堅いところで胸骨を軽く40~50回軽く連打するだけです。これを朝・昼・晩の三回を続けるだけです。私の場合はたまたま家にありました小さなマッサージ器(ぶるっぴー)を使用しています。
ヒントはドイツの振動波動健康法から得ました。現代医学からすれば想定外の健康法です。ただし食事は飽和脂肪酸(動物性)やトランス脂肪酸(揚げ物)をひかえた日本食をおすすめします。

投稿: くまごろう | 2011/10/11 21:15

興味深いご意見ありがとうございました

投稿: ひろ | 2011/10/12 07:41

10年以上坐骨神経痛でAKA療法の治療を受けてきました。良くなっては再発を繰り返し、5年前から立ち仕事のパート勤務を始めてから段々悪化したような気がします。最近無理が続いた為か、立っていると右臀部とふくらはぎの外側に錐で刺されるような痛みが起こり歩けなくなります。椅子にかけたり座るなどすると治まります。鎮痛剤もほとんど効果なく、今月いっぱい休みをとりましたが職場に復帰できないのかと心配です。AKAと並行して整体療法もう受けていますが、カイロプラクティックが有効との情報も多く、迷っています。ご指導ください。

投稿: まみい | 2011/11/17 22:00

 AKAの治療で一旦痛みが治まった段階で、痛みの原因を根絶するところまではいかなかったのではないかと推察します。痛みが発生する以前の段階から何らかの悪い状態が継続し一定のレベルに達したところでようやく痛み出すことが多いのです。仙腸関節に関わる問題点の多くは長年かかって作り出したものと考えます。
 正直申し上げて私も多くの仙腸関節に問題をかかえる人たちに関わってきましたが、それぞれに異なる原因があり解決するまで何年もかかったり全く効き目がなかった方も大勢おられまみいさんに対して有効なアドバイスを差し上げることができません。
 どういった治療法が有効かに関しましてもそれぞれの技術は所詮治すための道具にしかすぎず、むしろそれぞれの先生がまみいさんの痛みをもたらす根源的な部分や状態をどれだけ正しく見抜けているかが一番大切な要素だと思います。いくら素晴らしい技術を持っていても的はずれな箇所に素晴らしい技をかけても空振りに終わるのは目に見えています。治療院探しはカイロプラクティックでもオステオパシーでも鍼灸でも治療法そのものよりもそれぞれの先生の見識や能力の方が重要な要素となります。一番いいのはお知り合いの方からの評判を頼りにしたほうが無難かと思います。宣伝上手なところもありますので見極めは難しいかもしれません。
 まみいさんの問いに対するお答えとしては不十分だとは思いますがご理解くださいませ

投稿: ひろ | 2011/11/18 07:35

ひろさま

心からのご丁寧なアドバイスありがとうございました。

投稿: まみい | 2011/11/18 11:29

45歳の主婦です。カナダより本年3月末に帰国しました。カナダ赴任中の2009年4月にハイキングに行き、その二日後に突然腰痛に襲われました。多分ぎっくり腰だったことが最近まで通っていた鍼灸接骨院でわかったのですが、その時は患部(左下部腰椎部分と左仙腸関節部分)を冷やすだけで痛みが引くと思っていましたが、一ヶ月経っても痛みが収まらず、マッサージ療法を約9ヶ月間受けました。ところが2010年3月頃からパソコンの前に座っていたところ、左足に痺れを感じるようになり、理学療法に通いました。その後、牽引、カイロなどさまざまな治療を受けましたが、むしろ腰痛、しぴれが悪化してきました。昨年6月にカナダでカイロプラクターにかかったところ、左仙腸関節が「ロック」されていてそれがり状筋の硬化を引き起こし、坐骨神経痛になっていると診断されました。このカイロプラクターではり状筋及び坐骨神経沿いに鍼治療を施してもらいましたが、これで左仙腸関節の痛みが多少取れましたが、しびれは収まっていません。帰国後は上記鍼灸整骨院に通院、仙骨が前に倒れ、骨盤全体が後に倒れていると診断され、症状の由来は腰椎ではなく、仙腸関節由来だと言うことでした。4月半ばに転倒の際に右足首を捻挫してしまったため、この鍼灸整骨院は遠方だったため、通院を断念し、近くの鍼灸整骨院に通い始めたところ、ここでは私の症状は腰椎レベルでの神経の圧迫、及びり状筋の坐骨神経の圧迫と診断され、仙腸関節には注目しません。ここでは鍼、灸、吸い玉、マッサージを約一時間かけてします。最初の鍼灸整骨院では鍼治療のみです。鍼灸整骨院によって見方が違うので今のところに既に5回ほど治療を受けましたが、このまま通院していてもらちが開かないように思います。捻挫が完治していないため、最初の鍼灸整骨院には通えません。どうすればよいでしょうか?

投稿: tkomori | 2012/06/11 17:15

まことに申し訳ありませんがよそ様での判断はできるだけ除外して考えるようにしています
先入観があると判断がしづらいのです

むしろ現在の症状や身体の事に関する経緯のみをお話いただいた方が私にとって状態を理解しやすいのです

投稿: ひろ | 2012/06/11 20:07

現在の症状は左仙腸関節が時々痛み、長時間座っていたり、歩いたりすると左肋骨、左肩の後及び左肩が凝って来ます。多くはそれと同時に左の梨状筋が凝り、時々左足に痺れが出ます。痺れは左足の親指にまで達することもしばしばあります。最近は右足にも痺れが出て来てかなり心配です。
月経痛もこの三年間はとてもひどかったのですが、鍼治療で多少軽減したようです。首の上部に凝りを感じることもよくあります。下部腰椎の回りの筋肉もかなり硬くなっており、また横から見ると膝の形も後に反れています。そのため、左右ともふくらはぎが硬くなっており、両足が上がり辛くなっています。転倒したのもこれが理由のように思えますが。。
これはやはり仙腸関節不安定症と言うものでしょうか。
またなぜここまで治りが悪く、全身に症状が出てしまったのでしょうか。よろしくご指導お願いします。
小森

投稿: tkomori | 2012/06/11 21:43

ありがとうございます

具体的な症状をお教えいただき感じたことは問題は仙腸関節だけに集約されないように感じました
むしろ複合的に原因が存在しそれらがスクラムを組むように悪い状況を長引かせているのではないかと感じました
もちろん実際に触っていませんのでそれが何なのかは全くわかりませんが
仙腸関節だけの問題でそこまで症状が拡大するケースは考えづらいのです
正直それ以上のことはなんとも言えません

あとは運よくそういった見極めができる方に出会えるかどうかにかかわってくるんじゃないかと思います
大切なのは正確な見極めができてからでないと方法論もでてこないんですよ

ご質問に対する正確な答えになってないことをお詫びします

投稿: ひろ | 2012/06/11 22:01

ありがとうございます。
今まで様々な治療を受けてきましたが、全くと言っていいほど効果がありませんでした。婦人科のトラブルにもかかり易くなりました。産道の入り口(だいたいは左右どちらか)が赤く腫れることが時々あります。もともと腹筋が弱く、猫背の姿勢になることが多かったです。足腰の冷えも10代の頃よりあります。私の抱えてる問題を見極めることができる方はこの三年間に一人も出会ってません。どうしたらそのような方を探し出せるのでしょうか?

投稿: tkomori | 2012/06/12 13:03

私たちの仕事の性格上その人の身体を触りながら状況を見極めていくわけですが、言葉や文章からの情報ではほとんど詳しいことは判りづらいという部分はご理解賜りたいのです

医師、柔道整復師、鍼灸師あるいは我々のような民間療法師もいますがtkomoriさんに合う先生に巡り合えるかどうかはご縁の問題としか言えないのがつらいところです
ご近所の方やお知り合いの方の口コミが一番いいかもしれませんね

投稿: ひろ | 2012/06/12 16:16

理学療法士です。
仙腸関節由来の痛みはほとんどが不安定になることで痛みが生じます。仙腸関節がロックされるなど、可動域が低下するなどで痛みが出ることは理論上考えにくいです。つまり、仙腸関節が安定(寛骨と仙骨のモビリティとスタビリティのバランス)すれば痛みが軽減すると考えられます。
ただし、産後の仙腸関節不安定症に対しては、非常に難しいです。仙腸関節ベルトで固定するか、場合によっては手術で仙腸関節を固定させるしか現時点では方法がありません。
ですが、仙腸関節痛というのは若い人(20代~60代)に多いです。60歳以上になると、退行変性により仙腸関節や腰痛のモビリティが低下します。それによって自然に仙腸関節が徐々に安定(固まる)するので痛みが勝手に徐々に緩和していくケースが多いです。80歳以上の方で仙腸関節が痛いなんて方が少ないのはその理由です。

良い医者を知りたい場合は、『仙腸関節研究会』の医者に頼って下さい。整体師さん、カイロさん、理学療法士では対応困難なケースが山ほどあります。

投稿: PT | 2012/09/17 10:09

参考になるご意見ありがとうございます
現実的には仙腸関節の問題だけということはほとんどなく複合的に絡み合った状態が多いので厄介だと思います

確かに仙腸関節に問題がある人はお若い方ばかりですもんね
とても勉強になりました

基本的には手に負えないと判断した場合病院に行かれることをお勧めしていますが「仙腸関節研究会」というのがあるんですね
なかなかどこに紹介したらいいかわからなかったので
教えていただき感謝します

投稿: ひろ | 2012/09/17 12:15

  私は78歳になりますが、昨年3月初め朝起きると左半身(左側腰から左足全体)に激痛が起こり、歩くこともままならず壁などんにつかまるょうにして移動していました。介護保険に相談し松葉ツエを借りて3日ほどすごし、
やっと予約のとれた小田原の名医”かただ整形外科に見てもらい、3回治療、約1か月で完治しました。
この医者は最近知られるようになった”日本関節運動学的
アプローチ(AKA)医学会の理事で、ほとんどの関節の
痛みは仙腸関節の不調からくると考え、仙腸関節の不調
を手で探り調整しているようです。
この方法についてはGOOGLE で aka博多法 で検索でき、かただ整形外科の住所、電話番号も知れます。
 

投稿: | 2013/01/25 16:54

耳寄りな情報ありがとうございます
実は最近私もAKAから生まれたといわれるSJF(関節ファシリテーション)の本も読んでいます
確かに仙腸関節の問題はAKAの最も得意とする分野だそうですね

もちろんこの技法ですべてが解決するとは思いませんが
その有効性は多くの方から聞き及んでいます

なかなか難しい仙腸関節の痛みが回復されてよかったですね

投稿: ひろ | 2013/01/25 17:22

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