ろあん鮎美
どうしても忘れられない味があります
一度試してみたい味もあります
今年の一月に食べて深い感動を味わった「ろあん鮎美」さん
蕎麦を噛んでいるとジワリと蕎麦の実を食べているような深い味が顔を覗かせる
引き締まった力強さを感じさせる麺
もう一度機会があれば食べてみたいと思っていたのですが
今回、再びチャンスがめぐってきました
二度目だというのにこの看板に気づかず通り過ぎてしまいました
ホントおしとやかというか控えめというか
ここにお店があるという感じがほとんどありません
隠れ家的なお店なんですね
中に入って座って待っていると前回同様ゆとりのある緩やかな時間が心地よく流れます
気ぜわしくさっさと食べるお店ではなく
ここの空気と時間も一緒に楽しめる心の余裕も必要なんでしょう
ゆったりと待っているとおもむろに揚げた蕎麦が運ばれてきて
それから盛り蕎麦を頼むとついてくるつきだしが運ばれてきました
つきだしは蕗の塩梅煮です
有機製法の梅干で煮たものですが
これぞまさしく「ええ塩梅」
濃すぎない塩加減に梅の酸味でさっぱりといただけます
さて今回食べてみたかったのが「鴨汁」
先に追加の盛り蕎麦も注文して食べる気満々・・・
そこに運ばれてきたのは普通のつけダシとすりおろした香のいいワサビ
鴨汁を頼んだのに・・・?
と疑問に思っていると説明をいただきました
「最初半分くらいはこれで食べてください」
「残り半分ほどを鴨汁で召し上がってください」とのことです
それならばと前回同様まずは普通に盛り蕎麦をいただきます
やっぱり綺麗な蕎麦です
食べてみても前回同様噛むと蕎麦の香りが口いっぱいに広がります
蕎麦もそのときによって麺が一定しないと聞きますが
変わらない香、変わらないのど越し、変わらないコシの強さにまずはひと安心
「味わって食べる」といいますが
この蕎麦の場合そうしないともったいないような気がしてなりません
半分くらい食べたところでお目当ての鴨汁で食べてみます
鴨汁に蕎麦をつけて一口運ぶとこれまたビックリ
今まで冷たいつけダシで食べていたのとまるで食感がかわります
コシの強さが影を潜め柔らかいおとなしい麺に変わってしまいます
なるほどね・・・
最初に普通のつけダシで食べてくださいと言われたのはこのことだったのか!!
強烈なインパクトの主役だったが
鴨汁で食べると鴨汁とのバランスのとれた麺に変わるわけなんですね
やっぱり千両役者は違います
ひとりで舞台に立っても、大勢で舞台に立っても見事にその役割を果たすわけです
讃岐うどんでいうところの「ひやあつ」で食べるとこんなにも蕎麦の印象が変わってしまうようです
ここで新たな感動を受けました
お目当ての鴨汁もさすがでございます
本来あっさりした蕎麦のつけダシが鴨の脂で濃厚な味わいに変わっています
鴨の旨みもいいし、臭味もまったくなく
この一品も芸術的です
食べた後のお楽しみは蕎麦湯です
鴨汁に入れて飲んでみると鴨とネギの甘みがなんともいえません
さらには盛り蕎麦のつけダシに入れてもういっぱい
こちらはぐっと引き締まった味わいですね
最後に出していただいたのは
「イタドリとスナップエンドウの煮付け」
イタドリとは大阪では「スカンポ」と呼ばれ
私が高校生のころは堤防に生えていたスカンポをとって
皮をむいて茎を食べたものです
なんともいえない酸味が特徴の草でした
あの雑草が(失礼)こんなに美味しくいただけるなんて・・・
なんでも鮎美さんの育った篠山で採れたものだそうです
すべてにおいて芸の細かさを感じてしまいました
時間も空間も蕎麦も・・・
ゆったりとした楽しみを味わえる隠れ家ですね
「ろあん鮎美」
大阪市西区千代崎2-22-16
TEL:090-3896-9829
営業時間:12:00~15:00 18:00~21:00(夜は要予約)
営業日:月曜日 - 木曜日
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コメント
なんとおいしそうな・・・。朝からお腹がすきました。
機会があればぜひ行ってみたいです☆
それにしても、ひろさんの表現がまたなんとも味な感じです~。
やっぱりジャーナリストとしてデビューしては(笑)。
投稿: ニャロメ | 2007/05/23 09:38
細い蕎麦の中にはなんともいえない香りと力強さが同居しています
ご実家に帰られた際にはぜひ行ってみてください
ジャーナリスト。。コネがあればよろしくお願いします(笑
投稿: ひろ | 2007/05/23 09:51
行けばよかった・・・(笑)
いえ、今度絶対 行きたいお店~ですね♪
ご近所なのですが、まったくどこにあるのかわかりません^^) 探検してきます。
投稿: くろすぐり | 2007/05/23 10:32
そのために地図も載せました
住所のところをクリックしてください
半地元ですから行かないと後悔しますよ(´-`)
ろあん鮎美さんに行ったら他を回る気がしなくなりました(笑
投稿: ひろ | 2007/05/23 12:40
心遣いをひしひしと感じるお店ですね。
味もさることながら、雰囲気でも、おいしいと感じさせる店主の心意気がいいですね♪
素敵なお店ですね。
ひろさんのコメントもよりいっそう、おいしいと思わせますね♪
さすが評論家さんです♪(笑)
投稿: みさ♪ | 2007/05/23 15:37
こちらのお店ではなんとなく次元の違いを感じるのです
単に蕎麦を食べるというのではなく
雰囲気を楽しむ空間という感じがします
気さくに「お好きなように食べていただいてけっこうです」
こういってもらえるのですが
同時に食べ方に対するアドバイスや説明も的確です
きめ細やかな女性店主ならではの心遣いだと思います
投稿: ひろ | 2007/05/23 16:21
こんばんわ!
ろあん鮎美って、以前もこちらで見ましたよ。
覚えていました。
つきだしの蕗の塩梅煮、素朴な感じでいいな。
蕎麦湯、美味しいんだろうなぁ。
投稿: うさうさ | 2007/05/23 22:39
覚えていただいておりましたか・・・(´-`)
以前に行ったのが1月のことですが
店主の鮎美さんにも顔を見るなり私のことを覚えていただいてて嬉しかったです
蕗の塩梅煮ってまさに素朴な味なんですが
あんなにも美味しいとは思いませんでした
投稿: ひろ | 2007/05/24 07:50