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2006/11/04

MET(マッスルエナジー・テクニック)

オステオパシーの技法にMET(マッスルエナジー・テクニック)というのがあります
等尺性収縮後リラクゼーション(PIR)もしくは相反抑制(RI)を利用して
筋拘縮を解くという技法です
・・・なんて難しい説明をするつもりはありません
痛みのある筋肉(または拮抗筋)の力を利用して筋肉を緩めるという技法です
筋拘縮している筋肉に力を入れてもらうわけですが
術者がその動きに対して動かないように抵抗を加えます(等尺性収縮)
これで力は入っているけど動かない状態になります
こうすると動かしたら痛みの出るところでも
抵抗を加えることによって静止した状態になり
痛みが出ず力を入れることができます

また難しい話に戻ると
その状態になるとゴルジ腱器官という固有受容器
(関節の位置,筋の長さなどの深部感覚を測定する受容器)に作用し
異常な固有受容系の活動を抑制・減少する
その結果痛みを軽減・消失させる
・・・と本にはこう書かれていました

さてこの技法に関しては私自身あまり使いません
その理由としてはさまざまな体位から身体の特定部位を動かしてもらわなければなりません
そのとき重要なのが力の入れ加減なんです
被験者の力の入れ加減ひとつで効果が変わったりします
場合によってはかえって悪くなる可能性すらあります
私が力を入れるならともかく
被験者自身の力の入れ具合のコントロールいかんに成否がかかわるというのは
私としてはかなりやりにくいこともあります

どちらかというと被験者に完全に力を抜いてもらって
こちらが誘導するカウンターストレインという技法の方が
私にとってはやりやすいです

でもその効果を比較するとき
狙う部位によってはカウンターストレインよりも
METのほうが効果的だと考える部位もあります

たとえば大腰筋は腰痛の時にはかなり重要なポイントになる筋肉ですが
これをカウンターストレインで弛緩するよりも
METを使ったほうが効果が高いと考えています
(あくまでも私個人の考えですけど)
そのときベッドに仰向けに寝てもらい
私の抵抗に逆らい膝を上げてもらいます
この状態はともすると「力比べ」の雰囲気になってしまいます
私が「膝を上げてくださいね」と指示を出すと
どうしても膝を上げるための努力をします
ところが私は膝が上がらないように邪魔しています

こうなると被験者はムキになって力を加えます
あくまで膝が上がらない状態で静止して力を加えなければいけないんですが
私の抵抗に勝とうとして必死になります
だって膝を上げてくれって指示を出したのは私なんですから
私の指示に何とか応えようとしてくれるわけです

こうなったら大変です(汗
うっかりすると余計腰椎に圧迫が加わりさらに腰痛が悪化しかねません

こんなとき私の十八番の「お笑い」で余計な力を抜いてもらいます
「いいですか?~私に勝っても賞品や賞金はでませんよ~~」
「こんなアホらしいことに全力でやっても見返りはないんですよ~~」
「だからテキト~に、手を抜いて。。いや足の力を抜いてやりましょうねぇ」

たいていの方ならここで笑っていただけます
もちろん力も抜けて技が上手く決まるわけです
伊達や酔狂でお笑い整体をやっているわけではありません
        ↑
そんなジャンルの整体はありません(笑

「笑い」の中にこそ計算されつくした奥深い目的があることをご理解いただけたでしょうか?

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コメント

密かにお笑い整体のパイオニアを目指しているのではないでしょうか(笑)

今のところ痛いところがなくて、ひろさんとこにお邪魔できないのが、痛し痒しです(^^ゞ

投稿: 390X | 2006/11/04 08:40

あのね。。痛いとこはない方がいいのよね(´-`)
「お笑い整体」。。すでに他の追随を許しません

投稿: ひろ | 2006/11/04 08:48

なるほど、そういう技法もあったんですね。
筋肉に適度な負荷をかけるですね。
やっぱり、お笑い整体師だったのね。
なっとく♪(^-^)(。。)(^-^)(。。)ウンウン

投稿: みさ♪ | 2006/11/04 11:37

アイソメトリックといって関節を動かさないで筋肉に力を入れる方法です
スポーツトレーニングなどでもこの方法は取り入れられています

「お笑い整体師」。。
多分違うといってもみんなに否定されるでしょう┐(~ー~;)┌

投稿: ひろ | 2006/11/04 11:53

こんにちわ!
今日は、難しいお話ですね。
専門的な・・・。
ひろさんの十八番の「お笑い」で余計な力を
抜いてもらうって、それいいですね。

投稿: うさうさ | 2006/11/04 12:30

久しぶりに難しい話をしたので肩がこりました(笑
リラックスして受けていただくことが一番大事ですからね

投稿: ひろ | 2006/11/04 12:39

やっぱり 一度おじゃましたいです。
笑いの殿堂いかなくっちゃね!!

投稿: teru | 2006/11/04 19:18

施術を受けたいのか?笑いたいのか?
複雑な心境ですが・・・

ぜひお越しくださいませ(´-`)

投稿: ひろ | 2006/11/04 19:39

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