ウチに来院された多くの方には
必ずといっていいほど「歩いてくださいね」と言ってます
激しい腰痛で歩けない人は無理してもらったら困りますけど
施術がうまくいって痛みが和らいだ人には
ある程度の段階で歩き方のアドバイスをします
歩いたら必ず腰痛が治るかといえば
必ずしもそうとは限りません
でも歩くことによって慢性的な腰痛を軽くしたり
発症する回数を減らすことは可能だと思います
腰痛を訴える人の多くは足とお尻の筋肉がカチカチの状態になっています
これを「拘縮」と呼びます
主に大腿部と臀部(外寛骨筋)の筋肉が拘縮していると
腰痛の原因を作りやすいのです
大腿四頭筋(太ももの前側)や大腿二頭筋(後ろ側)
それと臀筋群は骨盤から大腿骨に付着しています
これらが拘縮すると骨盤を引っ張るような状態になり
骨盤の自由な動きを阻害してしまいます
こうなると我々がよく使う「骨盤がズレた」状態になり
股関節が吸収すべきショックを和らげる役目も果たさなくなったり
肋骨から骨盤(腸骨稜)に付着する腰方形筋と綱引き状態になり
腰方形筋が拘縮する場合もあります
骨格のアライメント(整列した状態)が崩れると
周辺筋肉にはストレスがかかり、さらなる緊張が発生します
要するに足とお尻が硬い状態だと腰痛が起こりやすいということなんですが
拘縮した筋肉を弛緩する方法として一般的なのがストレッチです
しかしストレッチといっても腰が痛い状態で
きついストレッチもできませんし
一箇所や二箇所の筋肉をストレッチしたとしても
腰痛になる程度だったら周辺筋肉のほとんどが
拘縮していますのであまり意味がありません
どちらかといえば軽めのストレッチで全体の筋肉を動かし
回数をこなしたほうが適しています
そこで「歩く」という動作なんですけど
歩くことにより周辺筋肉にはストレッチがかかります
しかも単なるストレッチにとどまらず
それぞれの筋肉を伸ばして、縮めてという繰り返しが行われます
当然「歩く」というからには
10歩や20歩でやめる人もいません
だいたい千歩以上は歩かれると思います
軽い動作でも回数を重ねることはリハビリにはうってつけです
それと一番重要なことですが
腰痛関連の筋肉としては腸腰筋を忘れてはいけません
私は「腸腰筋を制すれば腰痛を制する」とすら思っています
これも上記の理由と同じく歩くことにより
その拘縮を和らげることが可能です
間違っても腰痛緩和のための運動は
「リハビリ」であって「トレーニング」と異なります
きつい運動は必要ありません
だから歩く程度がちょうどいいわけです
目安としては連続で20分程度
あるいは痛みが出ない程度
歩き方のコツは、つま先をまっすぐ前に出し
いつもよりも10cm程度大股で歩く
スピードはゆっくりで結構です
負担をかけすぎて腰を痛めたら無意味です
私の知る限りではだいたい3ヶ月程度で
何らかの変化が出る方が多いようです
もちろんマシになったからといってやめてしまうと
元に戻るのだけは早いですからご注意を・・・
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