目的
人が動作を起こす場合何らかの目的があります
その動作によって得られる結果を目的とします
ところが筋肉の能力不足や何らかの障害が原因で
その動作がスムーズに行われない場合があります
機械ならばそれでその目的を達することはかないませんが
人間の体は違います
目的を達成するためには他の身体の部分を使って補おうとします
しかも無意識に・・・
すばらしいことです
でもそれでなんとなくできたような気がして
自分自身で納得してしまうことも少なくありません
目的に達することはいいのですが
自分自身の身体の自己分析というか
正しい評価をすることができず
かえって損をするときもあります
「代償動作」という言葉があります
代償動作とは、その部位の可動域内の運動にもかかわらず
他の部位の動きでその部位の動きを補助してしまう運動です
これがスポーツなどをする上では厄介なものです
例えば私がゴルフをしていたころ
上半身を捻転させてテークバックをとるのですが
大きく捻ろうとする意識のあまり
体幹を捻るだけではなく、腕まで引いてしまっていました
当然のごとくクラブフェイスは開いてしまい
スライス回転の打球が見事に飛んでいきました(笑
こんな例はいくつでもあります
大腰筋のストレッチをお教えするときに
片足をゆっくり後ろに引く運動をしてもらいます
ところが肝心の大腰筋が硬いため
足を後ろに引くのはいいのですが自然に上半身が前に倒れてきます
これではあまり効果的とはいえません
きちんと胸をそらすように意識しないと十分なストレッチは行えません
おそらくそのときの意識は「足を後ろにそらすこと」を最大の目的としているのでしょう
つまり本人の意識とは別に、身体が「足を大きく後ろにそらす」という意識が働いているということなんです
厄介ですよね。。身体が勝手に意識するなんて・・・
いわば「無意識の意識」とでもいいましょうか
スポーツなどではきれいなフォームがいいプレーをする前提になります
しかし目的の動作を完結するため本来動いてはならない部位までが余計なお世話をしてくれるわけです
この「代償動作」が多ければ多いほど「不恰好」になります
華麗なフォームできれいな動きを目指すならば
そのフォームの動きを分析して
ゆっくりとした動きで確認しながら
8割程度の力で正しいフォームを習得していく練習も必要でしょう
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コメント
>無意識の意識
今日の記事は、仏教でいう「悟りを開く」というような感じを受けました(^^ゞ
投稿: 390X | 2006/04/15 10:52
いまだ悟りは開けません(笑
たまにはまじめな記事を書かないとネ・・・
投稿: ひろ | 2006/04/15 14:33
こんにちわ!
今週は雨と晴れが交互だったような、
そんな週でした。
明日は晴れそうなので、まあいいかな。
動作を起こす場合何らかの目的があって、
私達って、動いているのですね。
改めて、思いました。
投稿: うさうさ | 2006/04/15 14:39
歩くときに一々「右足を出して、次は左足を出して」なんて考えて歩いてはいませんが
しっかりと体の中では「歩くという目的」を達成するために
一番いい方法を考えています
そのメカニズムを理解するというのは大変な作業なんですが
特殊な動きをするときにはこういうことも知っていたほうが
いいフォームで動けるということなんですね
投稿: ひろ | 2006/04/15 16:14