腰痛予防の運動
巷には「腰痛予防(治療)の運動」と称したものがたくさんあります
中には「これさえやれば・・・・」というようなものまであります
ほんまかいな・・・・と首をかしげることもあります
しかし基本的に腰痛の原因になる筋肉を鍛えるという点に関してはどの運動でも同じようなものが多いようです
だからどんな運動をされるかは選択の自由です
ただ運動をするに当たって気をつけていただきたいことがあります
まず「運動」ということの本質を理解していただきたいです
「運動」をすることによって鍛えることができる反面
疲れるということに留意していただきたいのです
実際いくつかの筋肉が弱ってバランスを損ない腰痛になった方は
運動することによってさらに疲労し、痛みが増すということも頭に入れておかねばなりません
よく聞くケースですが、テレビで「これをやったら腰痛が治る」と言ってた
ということで張り切ってやったら翌日に痛みが激化した
考えてくださいョ
普段運動不足の我々が急に草野球に借り出されてハッスルしたら
翌日に筋肉痛で動けなくなった
ありがちでしょ・・・・これと同じなんですよ
いくら「腰痛に効く」からといっても急に運動量をこなすと
筋肉痛みたいな状態になり余計に腰痛が激しくなっても何の不思議もありません
だからやり始めは少しずつの量で、あるいは力加減でスタートしていただきたいものです
一週間ほどして慣れてきたら徐々に運動量を増やしたり、力加減を増やしたり
段階的にしていただきたいですね
それとよくあるんですが
運動をやり始めて一ヶ月ほど過ぎたころにせっかくよくなりかけていたのに
また痛みがぶり返してガックリきた・・・・というケース
これは運動すればすぐにでも鍛えられていると思われがちですが、実は違うんです
今ある筋肉の細胞はいくら鍛えても強くなることはありません
新陳代謝によって今の細胞が新しい細胞に生まれ変わったとき
その新しい細胞が運動に対し抵抗力を持った細胞となるのです
つまり新陳代謝が順次行われるまでは、弱いままの細胞なんです
筋肉の細胞が生まれ変わるのに要する期間は約90日(三ヶ月ほど)かかります
単純計算でいくと運動をやり始めてから三ヶ月はそのままということになります
(ホントは徐々に入れ替わっていきますが)
それまでの間は古くて弱い細胞のままということになりますので
一ヶ月や二ヶ月ぐらいでは大きな効果は期待できず
その間の体調いかんによって痛みが出ることもよくあります
だからやり始めたら最低三ヶ月以上は継続しないと意味がないということです
実際上はたった三ヶ月ぐらいで体が変身するわけもなく半年や一年くらいかかると思いながら運動した方がいいと思います
そして一番重要なのはその運動をできる状態かどうかの見極めも大事です
はっきりいって激痛をこらえて運動をしても逆効果になるときが多いのです
いくら運動したら治るといわれても、その方にとって適した運動でない場合は見合わせたほうがいいこともあります
こちらとしても辛いところですが
運動できない程度まで弱った場合はじっくり休んで回復を待つしかありません
そして痛みが薄れてゆっくりでもやれるようになったときに
少しずつ様子を見ながらはじめた方がいい場合もあります
膝痛の方などはこういうケースが多いようです
運動というのは一番いい「薬」になる場合もありますが
用法容量を正しくしないと「毒」になることもあるということです
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