野球肩
先日「五十肩」についてお話しましたが
肩痛にもいろいろあります
野球のピッチャーが「肩を壊した」という話をよく聞きます
プロ野球のピッチャーになると速い人で150km/hのスピードボールを投げ込みます
これはボールがキャッチャーに向かっていくと同時に
投げている腕もその力で前に行こうとしています
つまり腕をつなぎとめるものがなければ腕もキャッチャーに向かって飛んでいくことになります
むかし「マジンガーZ」というアニメがありましたが
「マジンガーZ」の「ロケットパンチ」のように腕が抜けていたら大変なことになります
そうならないために腕を(すべての関節)をつなぎとめるのが靭帯なんですが
靭帯だけでは150km/hの投球には耐えられません
そのためについているのが棘上筋なんです
(別にピッチャーの為についているわけではないのですが・・・)
この筋肉がキャッチャーに向かって飛んでいこうとする腕を後側に引っ張る役割を果たします
いわばブレーキ役なんです
ところがプロ野球のピッチャーは子供の頃から数え切れないくらいにピッチング練習をしています
(実際にはアマチュアでもそうですが・・・・)
それで最後には棘上筋も耐え切れなくなって腕の骨からはがれてしまいます(一部もしくは全部)
これを「腱板炎」といいます
※棘上筋だけではなく棘下筋・小円筋・肩甲下筋に障害が及ぶ場合もあります
よく「投げ込んで肩を作らないとダメ」という意見と「ピッチャーの肩は消耗品だから投げすぎてはダメ」という意見が対立しますが
当然練習しないと鍛えられることはできませんので投げ込みは必要だと思いますが
闇雲に投げ込みをしても疲労ばかりがたまって思わぬ故障につながることもあります
筋力には個人差がありますので200勝以上した昔の大投手が普通のピッチャーに
自分と同じことをやらせれば200勝できるというものでもないと思います
やはり個々の筋肉の役割や強さを分析して、その投手の能力を見極めたうえで指導していただきたいものです
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